「あー楽だ」
2輪車、そう、オートバイにまたがった時に、ハンドルを握って、何も考えずにすっと腰を下ろした時に、違和感がゼロのものが自分にあったものだと聞いたことがあります。
私は、バイクは乗らないのですが、椅子と机とキーボードとモニターの関係については、教育を受けているので、そういうこともあるんだろうなと思っていました。
ずいぶん前のことですが、出向いたことのある、東京モーターサイクルショー。
そう、東京モーターショーと同じようなものですが、こちらは二輪だけの展示です。
ただの展示だけではなく、実際に実車にまたがることが出来るようになっているものも多くありました。
またがっても倒れないように、とてもしっかりとした専用のスタンドでまっすぐ立てられています。
そこで、本当かなと、あちこちのバイクにまたがりまくり、自分の感覚で検証してみました。
国産車で、空いているものを、またがれるだけ、またがってみたのですが、しっくりとしたものが見当たらず、あの話は検討違いなのかもしれないなと思いかけたところで、体型が違うので合わないだろうと思っていた、外国のバイクにも、せっかくだからと、またがってみました。
いくつも、またがり続けるうちに、スリムで、とてもシンプルなバイクに何も考えずにまたがった時、どこにもストレスがない、違和感がゼロの体験をしました。
ずいぶん昔のことなので、名前は失念していますが、トライアンフ というメーカーの少しクラッシックな感じのものでした。
間違いかもしれないと思い、ハンドルを握り、ステップに立ち、腰をあげて、座ってを何度も何度も繰り返しました。
しかし何度座り直しても、違和感が全くありません。
しばらく、またがって、その感触をしっかりと覚えてから、同じメーカーの違うバイクにもまたがったのですが、先ほどのバイクだけが、本当に誂えたように、ぴったりくるものでした。
長い時間かけて、こうした体験をしてみてわかったことですが、ぴったり来るものは、バイクの隅々まで、自分の体の延長のように感じられて、このバイクなら乗ってみたい。
安心して体を預けられる。
そう思わせるものでした。
デスクワークのときも、バイクや車と同じように、それなりに長い時間、椅子や机と触れ合います。
PC作業時には、キーボードやマウス、それにモニターがそこに加わります。
デスクの高さは固定されていますので、変更は難しい部分もありますが、体に合わない状態でずっと仕事をしていると、快適さを損ねた状態で、体に負担を与え続けることになります。
負担が小さいと、影響がそう大きくないと思いがちですが、小さな負担の蓄積こそが、体に悪影響を与えやすいものなので、できる限り、負担が低くなるように調整することが大切です。
とっても簡単に伝えると、座った時にまっすぐ下ろした足の踵が、ピタッと床につくこと。
深く座って、坐骨を使って、背筋がすっとした状態になり、腕をリラックスしたまま下ろした肘の高さに、キーボードがあること。
この二つを調えるだけで、首や肩の、それに腕の外側の疲れが大きく減ります。
違和感を感じていないと、当然、集中度があがり、効率が良い仕事に繋がります。
もし、毎日妙に首や肩の凝りが蓄積しているかもしれないと思ったら、高さに関する配置がどうなっているかを見直してみてください。
肉体が楽になり、さらに、より良い仕事に繋がるならば、ちょっとした工夫を凝らすのもありかもしれません。
小さな工夫でも、きっと大きく役に立つはずです。
こちらは、私の作業環境。
キーボードの高さは、ストレスが少なくなるように、ぴったり誂えたもの。
たったこれだけのことでも、体の負担は大きく大きく変わります。