脳は判断する。そして常に想像以上の最適化を図っている。
体を使うと、「そうか最近はそんな環境なのね」と、脳が判断して、筋肉や可動域を維持したり、育てる方向に移ります。
逆に体を使わなくなると、「そうか最近はそんな環境なのね」と、脳が判断して、筋肉をそれほど使わないなら、あっても無駄だから、出来るだけ減らそうとする方向に移ります。
筋トレや運動などをして、体が実際に育つ経験をすると、前半のは確かにそうだなと感じるでしょうね。
でも、後半を実際に経験して理解することってどうでしょうか?
そうした経験自体が少なかったり、情報として入ってくる量が少ないことなので、意識の底に基礎的な知識が入っていないことが多くなります。
すると何が起きるかというと、運動をしなくなっていても、筋肉はまだあるし、イメージ通り動けると(頭では)思っているのに、実際はそこまでではないという、思いと現実のギャップに ポカッとやられてしまうことも。
これ、遅くとも中年の最初の頃に、そうした経験を積んで「あれ、こんなはずでは?」と気がつければまだいいのですが、何もないまま年齢だけ重ねてしまうとどうなるでしょうか?
ずっと気が付かないままでいると、現状に合わせた最適化が進みすぎてしまい、想像以上に筋肉がいなくなります。
すると、本当に必要な分を取り戻すのに大変な時間がかかることがあるので、相応の注意が必要です。
脳は想像以上に「(本当に)無駄が嫌い」なので、その時の環境に合わせた最適化を常にし続けてくれます。
それが自分の理想とかけ離れていても、環境に最適化を実行し続けるのです。
こうして文字で書くととてもシンプルなので、はいはい分かった分かった理解したと、さらっと流しやすくなりますが、本当の意味でこのことに気がつける人は大変少ないです。
理解するには、まず 過去の自分の体の変遷と、現在の環境と体の状態で比較して確かめてみるのが良いのですが、記録がない方は、昔と最近の違いに着目すると良いかもしれません。
日常のことをそうした目でみてみると、どうでしょうか?
例えば 20年前と比較したら、街中や、建物の中のバリアフリー化がどんどん進み、あらゆるところが平らになってきています。エレベーターやエスカレーターも増えましたよね。
車だって、マニュアル車を探すのが大変な時代になり、体自体を動かすことが昔に比べると大きく減ってきています。
既に筋力が低くなっていたり、物理的に無理だという状態の方にとっては、こうした進化、特に街中や屋内の施設のバリアフリー化は本当にありがたいことです。
ですが、まだそこまでではない方にとっては、負荷がかからない日常が標準となります。
すると、そう、使わないので筋肉量が減るんです。
ここまでを理解して、足りない分を補うところまでの流れがしっかりできていたら、本当の意味で理解したことになりますが、思い返してみてどうだったでしょうか?
体を育てるには、この仕組みをうまく使うのが本当のコツ。
筋肉に関しては、日々、多少の負荷がある方が失われなくてすみます。
環境に合わせて体を変えてくれるこの凄い仕組み。 どうせなら意識を持って有効活用できるようになるといいですよね。
うまく使えるようになると、不足している部分を強化したり、必要のないところ減らしたりという風に、体をデザインしやすくなります。
ですので、最近どうも調子がね、という方は、是非このことを意識の底に据えて、あれこれ試してみてください。
使えば育つ。
負荷をかければ育つ。
動かせるようなると、もっと動かせるようになる。
脳が「そうか最近はそんな環境なのね」と判断するためのスイッチを自由に使えるようなると、体作りは変わってきます。
この仕組みを上手く手にして、是非、上手に使ってみてください!
そしてここで、育てる前に大切なことを一つだけお伝えします。
歪みのないところに、筋肉を育てると、後々楽になるという紛れもない事実です。
歪んだ姿勢で、筋肉をつけ続けていくと、どうなるか?
想像しただけで、まあ なんとなくわかると思いますが、無理なくキレイな姿勢につけていく方が、本当の快適さを手にすることができます。
どうしたらいいかについて、もしご興味があれば、こちらをご覧ください。