同じ匂いを嗅ぎつづけていると、その匂いがだんだん分からなくなってくる、そんな経験が、誰でも結構あると思うのです。
いい匂いであっても悪臭であっても、刺激が続くと、鈍くなってきますよね。
香水などの香りも嗅ぎ続けていると、薄く感じ、ついつい付けすぎてしまい、濃いめになるのもそんなことから起きています。
凝りなどからくる痛みも、同じで、ずっと刺激を受け続けていると次第に鈍くなっていきます。
それがとても酷くなると、誰が見ても「あの人、辛そうだよね」と気がつくような状態にありながらも、ご本人はケロッとしていて、私は問題ないと認識していることも良くあるのです。
随分前のことですが「僕は生まれてから、これまで一度も肩凝りになったことがない」と健康であることを自慢していた方にお会いしたことがありますが、見た感じがちょっと辛そうでした。
体のことや施術に対して、全く興味がないわけではないようだったので、こんな感じなんですよと、ほんの少し緩めてさしあげたら、それから、しばらく無言の間があり、ぼそっと「僕は本当はずっと肩凝りだったんですね。」と、ご自身で気がつかれました。
早く気がつくといいな。との思いはあるものの、例えどんな状態であっても、自分で正しく理解するまでの道を歩んでいる可能性が高いから、こちらから無理に諭すことはありません。
それは何故かというと、痛みの本質と、ご自身の意識の関係を大切にしているからです。
「痛い」というのは何かと言うと、「今 結構大変!!= どうにかしてこれを回避して!!」と、細胞が伝えてくれていることの表れです。
細胞だって楽が好き。
辛い状態は好みません。
少しでも楽をしたいし、無理は続かないのを知っているので、限界が来たら教えたい。
でも、細胞には口もないから喋れない。
電話もないし、メールもラインもない、当然ダイレクトメッセージも出せないので、何が起きたか明確に伝えることもできない細胞は、唯一出来ることをしようとします。
それが痛みです。
そう、痛みとは、命を守るための、とても大切な信号なのです。
そうやって痛みの意味を意識できると、その後の行動が大分変わってくると思いませんか?
その信号が感じにくくなると、どんな未来が待ち受けているかは、あまり想像したくありませんが、その世界はこんな感じ。
負荷ばかりが高く、回復力が常に負けている。
そんな状態です。
負荷が強く、回復力よりも大きく勝っていたら、何時か本当の限界が来て、体を壊します。
そうなって初めて「今まで大丈夫だったと過信していたんだな」とか「今後は気をつけないといけないんだな」と、学ぶことができれば、それ以降はきっと、そこまで酷いことにならないようになります。
でも、そこまでになりたいですか?
嫌ですよね。
そんな覚え方って大変ですよね。
とはいえ、誰かに言われて意味がわからないまま、やり続けるのは面倒に感じたりして、続かないことが多いでしょうね。
でも、自分で正しく理解することができれば、そうした方が得だと思うので、無理なく、自然と長く続けられるんです。
正しく理解すれば、忘れることなく、生涯使える良い味方になります。
そこに至る道は、本当に人それぞれなので、強要する意味がありません。
でも、もしここまで読んでくださって、自分の体や心のことが少し気になってきたら、少し感じてみてください。
自分の体や心は、一体どんなメッセージを送ってくれているかな? と。
心や体から発信されている情報を素直にキャッチするように、耳を傾けてみてください。
何かに気付いたら、ちょっと変えて様子を見るんです。
その繰り返しが大切です。
もし、自分一人では難しい場合、先ほど書いた、肩凝りを体の変化から、素直に理解した方と同じように、わかる施術を試してみてください。
1ヶ月後、半年後、1年後、10年後 未来が全然違ってきますよ。
ここHidamariは、そんなことを常に伝えているので、無理のない卒業が出来る、体を調えるところです。