1番って何?
と思った方にご案内をすると、1番はバレエの基本ポジションの1つです。
バレエのポジションは1番から5番まであり、最も重要なポジションが1番。
すっと立った時に誰もがバレエだと分かる、あの独特の立ち方が1番です。
アン・ドゥオール= 外へ
つま先がぐっと外に向いている状態。
踵をつけた状態で、つま先が外に180度開いていたら、とても綺麗な1番になります。
この1番が綺麗に決まようなると、難しいと感じられる5番も比較的簡単に出来るようになります。
とても小さな頃からゆっくりと体を鍛えていくと、このポジションも楽に出来るのかもしれませんが、子供の頃に憧れていて、ようやっと出来るタイミングが来た時には、体も以前よりは固くなっているので、このポジションを作り上げるのは、なかなか辛いでしょうね。
上手くできないと、ストレッチを丁寧に行い、マッサージをしたり、カイロや整体に行って骨盤の歪みを正したり、基本ポジションを何度も行って身に着けていくことが多いと思います。
でも、なかなか思ったように決まらなく、頑張れば頑張るほどあちこち痛くなり、かなりの方が苦労しているのが実情ではないでしょうか?
え?
私よりも広がっている!! と思った方、
同じようにできたら いいなと思いませんか?
こちらは、バレエの経験は全くない、49歳男性の足です。(つまり私の足です)
股下は弟のように長くはないのがとても残念ですが、長くないのに結構外に向いています。
実はこれ、ある二つのコツを上手く使えたら、これくらいは簡単にできるんです。
気になりますよね。
そのコツとは。
一つ目のコツは、動かした時に、痛い思いをさせないこと。
ストレッチなどで、痛いのを我慢して伸ばすことが正しい と思っていると、嘘でしょう と思うかもしれません。
でも、このコツは、脳に「この動きは怖いものではないんだよ」と覚えてもらうことこそが大切なんです。
一度でも酷く痛い思いをしたら、嫌ですよね。
脳だって同じ、その動きが始まりそうになると、身構えちゃうんです。
それも無意識に。
無意識の緊張は、意識ではどうしようもないこと。
意識しても、直せません。
どうすればいいのでしょうか。
そこで、最初のコツが出てきます。
無意識の緊張を持たせなければ、いいのです。
痛いと思う経験を積ませなければよくて、安全で安心できる動作だよと、体にたっぷり覚えてもらうといいのです。
それが、最初に出したコツ。
これからする動きは、全部、安全で安心できる動作だよと覚えてもらうことなんです。
ではどうするか?
二つ目のコツは、一気にせずに、体の準備を待って、段階的に緩めること。
右足の場合
1)左手をバー(または机など)に添えて体をサポートする。
2)体重を左足に移して立つ。(右足は足の重さだけにする)
3)右足を前に出す。(足のサイズ+3cm位)
4)つま先のみ接地させたまま、踵を浮かした状態を作る。
5)踵を少し内側に入れて、つま先が軽く外を向くようにする。
6)踵を浮かせたまま、貧乏ゆすりのように、気持ち良い範囲で数回上下させる。
7)つま先はそのまま、踵を内側から元の方向に戻す(後方に向ける)。
8)踵を浮かせたまま、貧乏ゆすりのように、気持ち良い範囲で数回上下させる。
4〜8を繰り返す。
このときに、絶対に 痛いと思うレベルまで追い込まず、上下に揺するうちに、可動域が自然と広がるのを待って、気長に実施する。
時間や回数は好みで変化させてもよいが、気持ちよい範囲までにしておくこと。
ポイント
踵を無理に内に入れて、つま先を無理に外に向けすぎず、何度も同じ位置で同じことを繰り返す。
脳がこの動きは怖くないんだと学習をすると、無意識に締めていた緊張を緩めてくれます。
痛くない経験を積めば積むほど、各部が自然と緩むので、思ったよりも早く外を向き始めます。
焦らずに遠回り、それが一番の近道です。
大切な膝のこと
どこを使って、つま先を外に向けようと思っていますか?
普通に、真っすぐに前を向いているつま先。
つま先を外反させるときに、骨盤と大腿骨との接点や太ももだけで、どうにかしようと思うと、それは無理です。
無理を通そうとするから、あちこちが辛くなるんですね。
痛い思いをした脳は、防御のために固くなります。
綺麗につま先を外反させたければ、膝に着目してください。
膝の関節の周囲を柔らかくして、膝頭を外に向け、足全体を、よじるような、ひねるような、ねじるような、そんな感覚でいると、つま先の向きもまた自然と外に向きやすくなります。
まとめ
膝の関節を包んでいる関節包や、固くなり過ぎている膝廻りの腱を柔らかくしていくと、こうした変化が無理なく生まれます。
バレエをする方にとって大切なのは、柔らかさを保ちつつ、しなやかで、且つ、強靱であること。
ここかなと思う部位を、指や手で押したり、揉んだりはせずに、そっと触れて「膝」と「膝を包んでいる部位」に、バレエに必要な柔らかさやしなやかさ、それに強さが生まれるように意識を向けて、上記のコツを使って、優しくじわじわっと動かしてみて下さい。
無理をせずに、焦らずにゆっくりと実施すると、ほんの少しずつですが、これまでと違ってするすると変わってくれるのが分かると思います。
痛い思いをさせず、体と対話しながら、楽しんでくださいね!
そして、もし いい感じに変わったら「こんな風に私も出来ました」と教えていただけると とても嬉しいです!