自分にとって、自分はブラック企業なのか、ホワイト企業なのか

%e5%b8%b8%e8%ad%98何かを考えるときに、別のものになぞらえると、捉えやすくなることがあります。

パソコンでいうところの、デスクトップもその一例でしょうね。
実際は画面の中なのに、机の上とみなすことで、理解のしやすさを作り出しくてれました。

馬力という言葉も、馬に例えたら、何頭分の働きになるかという、力の強さをイメージしやすくしてくれました。

自分のこと、自分の体のことを考えた時、これと似た感じで、理解できたら便利かなと思い、ここでは、人の構成要素を「会社」に例えてみました。

人間の体を構成する、たくさんの細胞たち。

一説では約37兆個と言われていますが、とてつもない数ですよね。
1円玉が37兆個あるぞとイメージしても、どの程度の量になるか一瞬では想像がつきません。
全体がどんなに大きくて、見えにくくても、とっかかりが、どこかにあると理解がしやすくなります。
そこで、この「細胞一つ」が「一人の人間」だと考えてみました。

体は「会社」です。

そして、そこに細胞として勤務するのが「あなた」です。

37兆人が勤務する、巨大な会社。
とんでもなく大きな会社ですよね。

そこでは、細胞(あなた)に与えられた個々の役割があります。
残念ながら、職種の変更はききません。

あなたに与えられた職種は、かかとの骨かもしれないし、かかとの皮膚かもしれません。
右手人差し指の爪かもしれませんし、もしくは、肝臓かもしれません。
太ももの筋肉かもしれないし、目の硝子体かもしれません。
大腸の柔毛繊維の一部かもしれません。

この会社で大切なことは、どこに所属しているかよりも、どんな働きを自分がするかです。
自分の職務を全うすることが何よりも尊ばれています。

会社の場合には、社員一人ひとりが持ち前の能力を発揮することで、組織が綺麗に回ります。
全員が、それぞれの役割をしっかり果たすことで、会社が存続していきます。
同じように、細胞(あなた)に与えられた役割をしっかり担うことで、生命が保たれていきます

自分が「細胞」であり「社員」だとすると、では「社長」は誰になるのでしょうか?

社長は 我思う、故に我ありの 我、つまり「わたし」という意識です。

普段の、そう、これまでの「あなたの意識」のことです。

社長がこれをすると決めたら、ほぼそうなります。
とてもワンマンな社長さんです。

朝目覚めたら暖かい飲み物をまず飲みたいから飲むし。
お昼にサンドイッチを食べたいと思ったら、サンドイッチを食べます。
いつも決まった仕事もしています。
夜もまあまあゆっくり寝てくれますが、頑張る時は無理をしがちな社長です。

普段はあんまり運動をしていない社長ですが、親友と、この間あったときに、とんでもなく楽しかったと笑顔で力説するので、今度、ご来光を見るために、生まれて初めて富士山に登ることを決めました。

行動派の社長は、すぐに歩くためのトレーニングを開始し、専用のシューズも買って、毎朝早起きして、40分くらいは歩くようになりました。
週末のまとまった時間がとれたら、そこも基礎トレに使うほどです。
結構計画的ですよね。

そうした甲斐があって、少しずつ、足腰が強くなってきたのですが、登山のその日はもうすぐです。
ギリギリ間に合うという感じでしょうか。
登山経験はほぼないのですが、頑張るだけ頑張るのでしょう。

社員であり、細胞であるあなたは、指定された職務を淡々と実行しています。
この職場では、社長からメールがくることもないし、放送設備も電話もありません。
負荷が増えれば、ただただ頑張るだけです。

今日はなんか、いっぱい働いたな。
そう思うだけです。

ときには楽な日もありますが、いつどんな風に負荷がかかるか、未来は全くわかりません。
負荷が毎日高い状態で続いても、いつそれが楽になるかもわかりません。
ただただ、負荷が増えても、ひたすら頑張るだけです。

今この時だけが、感じられるだけ。
ただただ、頑張るだけです。

時計もなく、日曜日や有給休暇もない職場。
先の情報も見えず、長期スケジュールが全く見えない職場。
環境としてはかなりきついですが、細胞という職務はそういうものです。

スマホもないし、ネットもラインもない、
さらに言うと、細胞には口もありません。

不平があっても、社長に直接伝える術はもっていません。

ただ、意識はあなたと同じくらい明快です。
さて、登山当日。

日本で一番高い山、富士山です。
前知識として、酸素が薄くなるから注意が必要だとか、登る時の歩幅は少し控えめにとか、上を向きすぎるよりも、足元をしっかり見る、水分補給は計画的になど、いろいろ前知識はいれてあります。

5合目から、登山を開始し、登っていきます。
友達と一緒なので、結構楽しいです。

しばらく登り続け、次第に無口になってきました。
登っても登っても、なかなか着かないし、疲れもたまってきました。

それに、酸素もなんとなく薄くなってきた感じがするし、一昨日買ったパワーフードが入った、アルミ箔でできたお菓子の袋のような包装をみてみたら、パンパンに膨れ上がっています。 気圧が減っているなと目で見て理解しちゃいました。

飲み水も必要なだけ水筒に入れていますが、使うかどうかわからないレインウエアがずっしりと感じます。
慣れないからかもしれませんが、背負っているザックの肩紐を通して、じりじりと体に食い込んできます。

山小屋になんとかたどり着き、ご飯を食べて、明日のご来光に備えて、社長は早く寝てくれました。

回復のために、細胞は頑張ります。
それぞれの場所の、それぞれの細胞、つまり社員が、ここまでにかかった強い負荷を回復するために、目一杯働きます。

翌日

まだ真っ暗な中、起床のタイマー音を聞いて、ごそごそと起き出し、準備が済んだら、そそくさと寒く暗い登山道をひたすら登り始めます。
天辺まで続く登山道には、同じように頂上を目指して歩く人が、ぞろぞろと続いています。

鍛えた足腰も、だいぶぼろぼろになりながら、どうにかこうにか、頂上について、ご来光を待ちます。
雲海の向こうが、じわりと明るくなり、ご来光がすっと音もなく顔を出して、夢にまで見た輝きを、顔で、肌で感じています。

頑張ってきた甲斐があった、来て良かった、誘われて良かった、友達と一緒で良かった。
様々な思いが浮かんでは消えて、今このときを目一杯楽しみました。

細胞には、メールも電話もないのですが、社長がウキウキしていると、それが伝わってきます。
よくはわからないけれど、伝わってきます。

さて、山頂全体も明るくなり、後は帰るだけ。
普段なかなか来られない場所なので、写真もいっぱい撮って、目にもしっかり焼き付けました。
薄い酸素も目一杯吸い込みました。

それから、ひたすら長い下山の道です。
帰りは登りとは違う気をつけ方が必要だと、頭ではなく体がこうするのかと気がつく頃には、膝が笑い始めましたが、どうにかこうにか下山して、駐車場にたどり着き、麓でご飯を食べました。

せっかくだからと、温泉にも入ったりして、素敵な時間を過ごすことができました。

細胞は、登山中も食事中も、温泉に入っているときも、ずっっと与えられた負荷に対して、対応しています。
今ある、休みがいつまで続くのか、それとも、さらなる負荷がやってくるかを全く知らずに、淡々と頑張っています。
細胞であり、社員である私は、だんだんイライラしているのに気がつきました。
こんなに頑張っているのに、挨拶がない、ねぎらいの一言があってもいいのに、なにもない。
いつまで働かさられるか、全くわからない。
いきなり負荷が増大して、あっぷあっぷ しているのに、更に増えるとか、もう信じられない。
それに何より、休みがない。

有給休暇とまではいわないけれど、少しくらいの休みは欲しい。

でも、淡々と今を頑張るだけ。
限界を超えても、ただただ頑張るだけ。

一人の人間として、気持ちの限度を超え始めています。

でも、あなたは細胞。
ただただ、実直に職務を全うするだけ。

でも、やるせなさが残るし。
強い負荷がかかり過ぎていたら、命危機に繋がることを知っています。
本能的に危険な領域がここからだと知っているのです。

でも、メールもラインもない。
電話もない。
口もない。
伝える術は持っていません。

負荷が高い、とてもキツイ
そんな状態が長く続いたら、あなたはどう思うでしょうか?

そして、どうしたら命の危機を回避できると思うでしょうか?

ここに、運命の分かれ目があります。

マーケティング用語ではキャズムというそうですが、氷の世界ではクレバスというような、氷河の割れ目があります。
このキャズムやクレバスと同じように、向こうとこちらを大きく隔てる、とてもつもなく幅が広く深い裂け目がここにあります。

もし、あなたが、足の筋肉の細胞だったら、社長から、今日よく頑張ってくれたね。
今日からゆっくりできるから、ありがとうね。 寛いでね。
優しく手で触れられて、そう一言声をかけてもらったら、どう思うでしょうか。

もし、肩のザックの肩紐が食い込んでいる細胞だったら、社長から、今日は難儀だったね。
もう、明日からはこんな目には合わないから安心してね。 優しく手で触れられて、そう一言声をかけてもらったら、どう思うでしょうか。

紫外線で焼けた肌だって、太陽の輝く様を見続けた目だって、声をかけられたらどう思うでしょうか。

あ、うちの社長、結構いいやつだな。

そう思ってしまうのではないでしょうか。

大変だったけど、まああいいや、もっと頑張ろうとおもってしまうのではないでしょうか。

逆に、もっと早く歩けたのに、なんだよもう とか、これくらいで肩が痛くなるなんてどうしようもないな。とか、これくらいで日焼けするなんてとか、目が痛くてたまんないよ。

なんて、声をかけられたらどう思うでしょうか?

あれだけ、頑張ったのに、何言ってんのうちの社長。

そう思ってしまいませんか?

細胞は声をだすことができません。
休憩時間もなく、週末もなく、有給休暇もなく、美味しいスイーツをとることも、友達と遊びに行くこともできません。
スケジュールが全く見えない状態で、ただただ、あなたの体を維持するために、地道に働いてくれています。
いま、このときも、ただただ淡々と頑張っています。

さて、冒頭のタイトルですが、自分はブラック企業だったでしょうか。
それともホワイト企業だったでしょうか。

もしかしたら超がつくホワイトや、ちょっとだけブラックとか、いろいろありそうですよね。

どこにも売っていない、自分の身体。
交換や換えができない自分の体。
大切にしていきたいですよね。
我思う、故に我ありと そう思う自分が、ずっと快活で気持ち良く動けるようにするために。

無理する必要があるときは、無理をしなければならないにしても、大切にしていきたいですよね。

もし、体を大切にと言われて、これまでピンとこなかったとしても、いま何かを感じたら、これからどうするかを考えてみてください。

ご自愛するって大切です。

手で触れて、言葉をかけるだけでも回復度合いは変わります。
変わるのは奇跡のリンゴだけではないんですよ。

生きている細胞は、みんな同じなんです。

是非、ずっとかけている負荷があったり、強い負荷をかけていたかもと気が付いたら、試してみてください。
一人の人をねぎらうのと全く同じように、優しくいたわってみてください。

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